電子コミック業界とかのマーケティング情報はTingalpa

電子コミック業界で働くしがないマーケッターが、電子コミック業界のマーケット情報や、その他興味関心のある分野について不定期に記録しています。

海賊版サイト『漫画Bank』に対し、出版社はDMCA砲で応戦中

DMCA

海賊版サイト『漫画Bank』の成長は下記に書きましたが、それに対し大手出版社はDMCAで対抗している模様です。

 

DMCAとは

DMCAデジタルミレニアム著作権法のことで、Digital Millennium Copyright Act の頭文字を取った略称です。デジタル化されたWEB上に存在する著作物に関する内容が規定された、1998年10月にアメリカ合衆国で施行された連邦法です。アメリカの法律なので、日本では適用されません。

しかし、アメリカの法人であるGoogleDMCAを適用することができるため、著作権侵害に抵触する内容であることが認められるコンテンツが掲載されるサイトやぺージを、Google検索結果に表示させないよう申請フォームから申請することができます。コンテンツやぺージ自体が、インターネット上から削除されるわけではありません。

出版社のDMCA対応状況

DMCAに申請された内容は、すべてLumenというサイトで公開されます。このLumenのトップページにある検索窓に『漫画Bank』のURLを打ち込むと、『漫画Bank』に対する申請状況が確認できます。

以下はその一部です。

小学館

小学館のDMCA申請

講談社(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構が代理申請)

講談社のDMCA申請

集英(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構が代理申請)

集英社のDMCA申請

出版3大手の小講集が、DMCAで対抗している様子がうかがえます。角川出版の申請もありました。

角川(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構が代理申請)

角川のDMCA申請

漫画BANK(バンク)のインデックス数

全部見たわけではないので(Lumenのアカウントがないと最新100件しか見れない)、他の出版社も申請しているかもしれませんが『漫画Bank』に対する申請件数は、2020年4月30日時点でざっと6,189,630件ありました。

DMCAの申請ができるのは、その著作物に対して著作権を所有している本人(会社)または、正式に代理申請する許可をもらっている場合に限ります。つまり、基本は出版社または作家しかDMCAを利用して『漫画Bank』に対抗することはできません。私はDMCA申請をしたことありませんが、聞いた話によると結構手間がかかるようです。また、申請した該当URLを運営者に変更されたりすれば、すぐにGoogleの検索結果に復活してしまうのでイタチごっこのようです(なので申請代理ビジネスが存在するのでしょうね)。

ちなみに2020年4月30日時点の『漫画Bank』のGoogleインデックス数は、ざっくり57,000ページあります。

漫画BANK(バンク)のindex数


海賊版サイトの早期撲滅のため、DMCAは根気のいる地道な取り組みですが、日本の出版業界、そして読者を守るため、著作権者の方々には頑張ってもらいたいです。