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Googleトレンドからみる、新型コロナウィルスによる電子漫画市場のユーザー動向

新型コロナウィルスに伴う、休校や休業、外出自粛等の影響により、電子書籍(漫画)市場のユーザー行動にどのような変化が起きているのか、Googleトレンドを活用して見てみたいと思います。

トレンドに影響がでそうなトピックは以下の通り。

2020年2月27日 全国の小中高、3月2日から臨時休校要請
2020年4月06日 7都府県に対し4月7日に緊急事態宣言を発令すると表明
2020年4月16日 緊急事態宣言を全国に対象拡大と表明

以下、データはすべてGoogleトレンドから抽出したものです。
期間は2020年1月1日~4月18日(日本)となります。

『漫画』『まんが』『マンガ』『コミック』の
合計値トレンド

『漫画』『まんが』『マンガ』『コミック』の 合計値トレンド

『漫画』『まんが』『マンガ』『コミック』の 合計値トレンド

2月27日に全国小中高の臨時休校要請の表明があり、3月2日から休校となったタイミングからトレンドが大きく上昇しています。小中高生といった若者の「巣ごもり需要」による「おうち時間」の過ごし方のひとつとして、漫画が選ばれていることが読み取れます。

『無料漫画』『漫画無料』の合計値トレンド

『無料漫画』『漫画無料』の合計値トレンド

『無料漫画』『漫画無料』の合計値トレンド

こちらも同様に、休校要請のタイミングからトレンドが上昇しています。やはり『無料』は強いですね。

以上の傾向から、巣ごもり需要が漫画SEOのトレンドに影響を与え始めたのは、3月2日の小中高の休校がきっかけになっていることが分かります。明らかに、新型コロナウィルスによる巣ごもり影響により、漫画市場は活性化しています。

ちなみにグラフでスパイクしているのは週末や祝日です。休校後もスパイク傾向が変わっていないのは、一定数は外出自粛をせずに街に遊びに行ったりしてしまっているのかもしれませんね・・。

次に、巣ごもりで需要の高まっている漫画が、電子書籍サービスに流れているのかを見てみたいと思います。あくまで検索トレンド傾向を見たものなので、各電子書籍サービスの実績との連動性は定かではありませんのでご了承ください。また、検索トレンドの低いサービスやアプリがメインのサービスは除外し、トレンド影響が強く出そうなマンガ海賊版サイト「漫画BANK」も対象にしています。

電子書籍配信サービス別のトレンド

電子書籍サービス別のトレンド

電子書籍サービス別のトレンド

サービス名の”ゆらぎ”は以下の通りまとめて合計値で算出しています。

  • 『コミックシーモア』『シーモア
  • 『めちゃコミック』『めちゃコミ』『めちゃこみ』
  • 『Renta』『レンタ』
  • まんが王国』『漫画王国』
  • 『ブッコミ』『Bookliveコミック』
  • 『漫画BANK』『漫画バンク』

グラフから『めちゃコミック』『漫画BANK』が、巣ごもり需要の恩恵を大きく受けているように見えます。特に『漫画BANK』の勢いはすごいですね(残念ですが)。

下記はその『めちゃコミック』と『漫画BANK』のトレンドを月次比較してみたものです。グラフは曜日揃えしています。

めちゃコミックのトレンド推移

めちゃコミックのトレンド推移

漫画BANKのトレンド推移

漫画バンクのトレンド推移


『漫画BANK』は新型コロナウィルスによる外出自粛前から右肩あがりなのでその勢いもあると思います。『めちゃコミック』も3月からベースアップしていのが見て取れますね。電子書籍は1月が繁忙期ですが、それよりも3月4月が高い値を出しているのは驚異的です。

  • 『めちゃコミック』 1月3月対比 113%アップ
  • 『漫画BANK』 1月3月対比 323%アップ

公式の電子コミックサービスの中で、なぜ『めちゃコミック』だけがトレンドをうまく取り込めているのか定かではありませんが、テレビCM等のプロモーションで培ってきたブランド認知力や、高い顧客満足度がリピータを呼びこのような傾向にあるのかもしれません。無料漫画の配信強化で『無料漫画』のトレンドをうまく吸収できている、またこの時期に戦略的にプロモーション強化をしている可能性もあります。

新型コロナウィルスによる自粛生活は長期戦になりそうです。この需要をいかに取り込むか、各サービスの動向を今後も見ていきたいと思います。